クラスメソッド データアナリティクス通信(機械学習編) – 2024年5月号

2024年4月分のAWSおよびGoogle Cloudの機械学習関連サービスのアップデート情報をお届けします。
2024.05.02

データアナリティクス事業本部 インテグレーション部 機械学習チームの鈴木です。

クラスメソッド データアナリティクス通信(機械学習編) の2024年5月号です。2024年4月分のアップデート情報をお届けできればと思います。

はじめに

AWSでは、Amazon Bedrockのアップデートが数多くありました。多くの高性能なモデルが利用可能になったほか、ガードレールやモデル評価、Amazon Titan Image Generatorなどの一般提供開始により、Amazon Bedrock自体の機能も大幅に強化されました。Amazon SageMaker StudioのCode Editorでカスタムイメージをサポートしたのもユーザーとしてとても嬉しいニュースでした。

Google Cloudでは、4/9〜11(現地時間)にラスベガスでGoogle Cloud Next ’24が開催されたこともあり、数多くのアップデートがありました。期間外にも、ML.TRANSFORM機能の一般提供開始など、機械学習機能がより便利に使えるアップデートがありました。

それでは各々のアップデートを振り返って行ければと思います。

※ アップデートは機械学習チームメンバー内で業務に取り入れられそうかを中心に確認しているので、一部取り上げられていないものもあるかもしれませんが、参考になりましたら幸いです。また、複数のパブリッククラウドのサービスを取り上げますが、比べたりする意図はありません。

AWSのアップデート

Amazon SageMakerのアップデート

Code Editorがカスタムイメージのサポート

SageMaker StudioのCode Editorでカスタムイメージがサポートされました。

以下のブログで検証した内容をご紹介しています。

SageMaker Studioノートブックでインタラクティブなデータ探索とSQLクエリをサポート

ノートブックからSQLおよびPythonを使用して、データソースのデータをシームレスに発見・探索・変換できるようになりました。

Meta Llama 3基盤モデルが利用可能に

SageMaker JumpStartでMeta Llama 3基盤モデルが利用できるようになりました。

新しいStudioでプロジェクトを利用可能に

新しいSageMaker StudioでSageMakerプロジェクトを有効にできるようになりました。

ノートブックインスタンスで新しいインスタンスタイプをサポート

Amazon EC2 P5、C6i、C7i、M6i、M7i、M7i、R6i、R7iの各インスタンスのサポートが一般提供されました。

Amazon Bedrockのアップデート

ガードレールとモデル評価が一般提供

ガードレールとモデル評価が一般提供になりました。

ガードレールはBedrockへの入力についてフィルタリングすることができます。出力についても機密情報などが入っていた場合に出さないようにすることが可能のようです。

モデル評価は、ユースケースに最適な基盤モデルを評価、比較、選択できます。

いずれもバージニア北部およびオレゴンリージョンで利用可能です。

カスタムモデルのインポートをサポート

Llama、Mistral、Flan T5 などのサポートされているアーキテクチャについて、カスタマイズしたモデルをインポートできるようになりました。

エージェントがAnthropic Claude 3 HaikuとSonnetをサポート

Anthropic Claude 3 HaikuおよびSonnetモデルを使ったエージェントを構築可能になりました。

Knowledge BasesがプライベートなOpenSearch Serverlessコレクションへのアクセスをサポート

プライベートネットワークポリシーが設定されているOpenSearch Serverless (OSS) コレクションにアクセスできるようになりました。

Mistral Large基盤モデルが利用可能に

バージニア北部およびオレゴンおよびパリリージョンにおいて利用できるようになりました。

Cohere Command R+およびCommand R基盤モデルが利用可能に

バージニア北部およびオレゴンおよびパリリージョンにおいて利用できるようになりました。

Knowledge BasesがCloudFormationとService Quotasをサポート

CloudFormationによるデプロイと、Service Quotasによるクォータ値と使用状況の一元的な確認をサポートしました。

Titan Image Generatorが一般提供を開始

デフォルトで電子透かしの入った画像を生成できるAmazon Titan Image Generatorが一般提供を開始しました。バージニア北部とオレゴンリージョンで利用可能です。

Knowledge BasesがClaude 3 Haikuをサポート

Knowledge BasesがClaude 3 Haikuをサポートしました。

Knowledge Basesが最大5つまでのデータソースをサポート

最大5つまでのデータソースを設定できるようになりました。

Claude 3 Opusモデルを利用可能に

オレゴンリージョンにて利用可能になりました。

Meta Llama 3基盤モデルが利用可能に

BedrockでもMeta Llama 3基盤モデルが利用可能になりました。Llama 3 8B および Llama 3 70Bがバージニア北部およびオレゴンリージョンで利用可能です。

Amazon Personalizeのアップデート

自動トレーニング機能が利用可能に

モデルのドリフトを軽減するため、データセットグループの最新のデータから自動でトレーニングさせられるようになりました。

Amazon Transcribeのアップデート

スペイン語向けのPIIの識別に対応

スペイン語(米国)の音声文字起こしにおいて、個人を特定できる情報(PII)の識別とリダクション(マスキングまたは消去)に対応しました。

AWS Clean Roomsのアップデート

AWS Clean Rooms MLが一般提供開始

AWS Clean Rooms MLが一般提供開始しました。

この機能はre:Invent2023のキーノートで発表されていたもので、ユーザーはパートナーとデータを共有することなく、機密データを保護し続けながら、MLモデルを構築・トレーニング・デプロイ・予測できます。

Google Cloudのアップデート

Google Cloud Next ’24のアップデート

4/9〜11(現地時間)にラスベガスでGoogle Cloud Next ’24が開催されました。この期間には多くのアップデートが発表されたため、その内容については以下のGoogle Cloud Blogにてご確認下さい。

Vertex AIのアップデート

Google Cloud Next ’24期間外のアップデートを記載します。

モデルガーデンがHuggingFaceのテキスト生成モデルをサポート

約400のHuggingFaceのテキスト生成モデルのデプロイ設定をサポートしました。

モデルガーデンがLlama 3モデルをサポート

Llama 3が利用可能になりました。

Vertex AI Feature Storeにて複数機能がGA

以下の機能が一般提供開始しました。

Vertex AI Agent Builderへのブランド変更

Vertex AI Search and ConversationがVertex AI Agent Builderに名称変更されました。

BigQuery MLのアップデート

Google Cloud Next ’24期間外のアップデートを記載します。

LLMのファインチューニングがプレビューで可能に

Vertex AIのtext-bisonモデルに対してのファインチューニングがプレビューで可能となりました。

モデルモニタリングがプレビュー提供開始

プレビュー提供のモデルモニタリング用の関数を使い、モデルのドリフトの有無などを確認することができるようになりました。

ML.TRANSFORM機能が一般提供開始

CREATE MODEL文のTRANSFORM句で指定した前処理結果を返すML.TRANSFORM機能が一般提供開始しました。

同じく、変換だけを定義したモデルを作成する機能も一般提供開始になりました。

Text-to-Speechのアップデート

es-ESとpt-BRのスタジオ音声をサポート

es-ES(スペイン語)とpt-BR(ポルトガル語)のスタジオ音声をサポートしました。

  • es-ES-Studio-C
  • es-ES-Studio-F
  • pt-BR-Studio-B
  • pt-BR-Studio-C

イベント・サービス情報

ウェビナー

5/15に開催される『Classmethod Showcase 事例で学ぶ、データ活用戦略の最新動向』にて登壇します。

AI/MLのよくあるユースケースとレコメンデーションの効果的な活用戦略についてご紹介する予定です。

相談会

クラスメソッドのアナリティクス分野の支援では、AWS、Google Cloudを中心としたクラウド上でのデータ分析基盤環境づくりにおいてトータルでサポートしています。

このようなことでお困りではないですか?

企業内に点在するデータを1箇所にまとめて分析したい クラウド上で分析基盤を導入したい・・・ データを活用したいが、具体的に何から始めたらいいかわからない 機械学習相談会のお申込みはこちらです。お気軽にご相談ください。

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機械学習システム導入支援サービスについて

AWSやGoogle Cloudなどパブリッククラウドにて、機械学習サービスを活用したシステムの導入支援を行います。詳しくは以下のページをご覧ください。

例えば以下のようなケースをご支援しています。

  • ECサイトのレコメンドシステムを構築し、利用者にパーソナライズされたおすすめ商品を提示する
  • SNSや問い合わせのログなどから、テキストマイニングを活用したインサイトの発見する
  • 画像解析により、工場における不良品検出や農業・畜産業分野での生育管理を効率化する
  • 売上や消費者の行動などから、将来の需要を予測する

最後に

2024年4月に発表された、AWSとGoogle CloudのML機能のアップデートについて、メンバーでピックアップした情報についてご紹介しました。

データアナリティクス通信(機械学習編) - 2024年5月号は以上です。